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2012年 07月 31日

「マルチ」と「ノマド」の意外な関係性

 私はコンピューターのコの字も知らなかった1969年、ひょんなことから走りのコンピューターに関与することになった。当然当時パソコンなどなく、登場すら予想しなかった時代である。私は、旧財閥系の自動車ディーラーにいて、親会社の新車発売元(自販)の営業戦略・広告宣伝と連動した地域における販売促進企画・自社の営業活動支援業務、新車中古車の車両管理、支店営業所の売上と入金管理、新車中古車の陸運局への登録業務、顧客別一車別損益管理、顧客別車両別ユーザー管理、自販への月次報告などの業務を一括でやるセクション(営業業務)にいた。
 その部門でハンドリングでの事務改善をやった経緯から、「3社合同事務機械化委員会」(当時はコンピューター導入のワーキングチームをそう呼んでいた)で前述の営業にまつわる分科会のリーダーを務めた。同形態の兄弟会社が京都府と滋賀県に3社あったからだ。

 当時は大手製造業はコンビユーターを使っていたが、処理能力に限界があることから「単能機(シングル・ジョブマシン)」を使っていた。まだワイヤー・プログラムもあった。畳一畳ぐらいのバネルに、電気コードが蜘蛛の巣状に差し込まれたものだ。
 委員会への指導は、自販の計算管理室(今でいう情報システム開発・管理センター)のスタッフ。われわれが指導を受けたのは、元陸軍中野学校出身・憲兵伍長だった。中野学校では暗号研究をやっていたから、戦後そんな人たちがコンピューター関係に流れたものと思われる。
 その人は革新的意欲のあるデイーラーの指導役で、静岡、九州などすでに実績を上げていた。

 導入された機種は、本体がIBM360モデル20、メーンメモリー8Kで、カードヘース。周辺機器として5メガの磁気ディスク1機(直径60センチ、高さ25センチぼどの器のなかにレコード盤のような磁気盤が五層、差し替え可。魅力はなんといっても、磁気テープに比べランダムアクセスができたこと)。磁気テープ装置2機(MT)。プリンター1機は多分ドットたった。
 オフラインに、カードソーター(本体が8Kしかないので、読み込み負荷を軽減するため、予めパンチカードをシークェンシャルに並べる装置)。

 これだけのマシン群を本部の4階会議室(400㎡はあったか)に据えた。今では考えられない体積である。
 他に、カードパンチルームがあり、10台のバンチカードマシンがあった。(半分の5台はべりー。同じ伝票を2度打ちして検証するマシン)。

 ワーキングチームは、導入前よりIBMから派遣されたインストラクターにより、コンビューターの信号の単位としてのビットやバイト、二進法、各機種の役割。現業の業務を機械化するために必要な業務標準化こそ成功の秘訣と教わった。

 IBM360モデル20は、メモリーは小さいながらも単能機ではなく、汎用機(一応のマルチジョブマシン)だった。今ほどのマルチジョブ対応機能はなかったが、MTとか、ディスクの処理をしなから併行してプリント処理ができるとか、である。同時処理ができるところがマルチジョブの特徴である。
 後、本体メモリーにLSIが採用され何十倍、何万倍にもなった。マシン体積は小さくなった。コンピューターの処理スピードは体積と比例した。電流回路が短くなったからだ。それにより、本体(CPU)に直結してぶらさがる端末器も多くできるようになり、端末ごとの別のジョブもできるようになり、本格的マルチジヨブ時代に入った。


 私が「マルチ」という概念を感受した経緯の説明に多くの字数を使ったが、今の「ノマド的ライフ」と意外とよく似た関係性があるように思われ書いてみた。
 コンピューターの発展と併行して発達したマルチ志向とマルチの仕事術→マルチライフ。

 マルチとシェアは似ていて異なるものと、前々号で触れたのでここではシェアについては割愛する。

 以下は、ノドマにとってマルチに生きることに、SNSやクラウドサービスを使いこなすことは切り離せないことのようだが、ハンドリングの世界においても、仕事に、研究に、趣味に、遊びに、マルチの概念は無意識的に普及した例を挙げてみる。

 マルチという概念は、「多能」という意味をもっていると私は思っていて、ある意味で20世紀の発展を支えた概念と思う。

★専用機旋盤(シングルジョブ・マシン)単一加工における生産性は高いが、小ロット、多品種生産には向かない。汎用機旋盤は(マルチジョブ・マシン)一製品当たりの生産性は低いが、多品種少量のオーダーへの対応力とか、緊急対応力に優れている。
★人でいえば、多能工がマルチ工。ガズ配菅資格を持つ人、左官職ができる人、電気工事資格を持っている人、内装工事のできる人、など、一人で複数の仕事のできる人は、工事現場で、職種が入れ替わる必要なく工事は進められ、交替時のロスタイムが大幅に締められる。今嫌われる効率化であったが。
★ホワイトカラーにおいても、ブロジェクト・マネジメント力のある人は、新しい他のブロジェクト立ち上げ時に重宝がられる。
★マーケティング系職種においても、自社のコンピユーター・フアイルにマーケティングに使えるデーターがどのファイルとどのファイルに保存されているか、ファイル・レイアウトも知っていると、商品開発部隊から統計設計が期待されたりする。統計数学ができれば、なおのこと。
★バブル景気の最中、増改築・リフォームマーケットが華やかな頃、フランスのリフォームビジネスのやり方が話題になった。
中型トラックに3人の多能工が乗り、リフォームならやんでもやれる道具を積み、2日コース・3日コース、4日コースのメニューで施行。その間住人はホテルで待っていればいいと。

★(注)おこがましいですが、、私のバソコンファイルに「コンサルタントのよもやま話」とうのがあって、そのなかの6話に「システムの定義」5話に「情報の定義」を載せています。当時の諸先生方の諸説を。ご興味の方検索できます。

★特別に会社から、上司からの要請がなくても、ビジネス文章が早く、正確に(伝えたいことを勘違いされないように)、忙しい受け手に読みやすく書けるスキルを持っていると、どんな職種でも汎用が効く。特にのまど的働き方には必須。
★小説とかエッセイは散文であり、その文章をどう読み取るかは読者に任せられるのが筋である。散文で書かれようとするものは「人間」であるから。そういう意味で、ビジネス文書に散文的要素を混在させてはならないと私は考えている。(このブログはエッセイと位置づけている。念のため)
★商法、会社法、民法、労働法などビジネスマンには必須と思うが、自部署に必要としない法律も知っておくと、組織から重宝がられ、これまた汎用が効く。
特に、ビジネスにはつきもののトラブル防止とか対策に必要な、覚え書や契約書、などつくれるスキルがあるといい。一旦緩急の時、弁護士につなぐ知識は、ノドマの仕事術には必須。
★概念設計とか傾向分析などに必須なチャートづくりが得意なら、ブレゼンにも、コミュニケーションにも役立つ。これも汎用性大。
★イラストの得意な人はいい。外注する費用もかからず、なによりスピート対応。パソコンのイラスキットにない手書きの味がサブ・コンテンツにもなる。ノマドならスキャナーを使って貼り付けることなどお茶の子だろう。
★DIYが好きなら、大がかりの物にしないにせよ、着想→コンセプトづくり→概要設計→部分設計→施行というブロセスをたどりたくもなる。大げさにいえばアーキテクチャーの思考ともつながる。建築と違うところは一人でやるところだ。小説家は、概要設計から詳細設計から畳職人の仕事から、障子張りまで、イメージと鉛筆ひとでやる。ビジネス企画クリエーターにてしても同じ、だから一人でやる職種のフイリングと同じといった人もいた。
★釣りが好きなら、前夜につくる仕掛けのいいようのない期待感。大海を30頭ものイルカの群れが釣り船と並んで飛んでゆく。そこには時間消費のレジャーという感覚はない。
★俳句や短歌をやる人に、印税期待の人はいない。他人はどう受け取ろうが生きた証を言葉に託したいだけの人が多い。だから日本人の精神文化の裾野は広いのだ。
★墨絵や水彩画や書の書ける人も、単なる時間諸費型の趣味にならず、心豊かな自己の再生を期待する人たちが増えている。
★クラッシックであれ、ジヤズであれセミプロなみの談議ができる人は、文化的素養のある事業家とか、経営者などと意気投合する機会が期待できる。

 このように各自がマルチ領域を拡大しながら生活してゆくスタイルは今後増えていく可能性があると思う。そのモチベーションになる因子は、私流にいえば各人の深層にあると考える。 

by kuritaro5431 | 2012-07-31 13:54


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