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2009年 04月 23日

弁証法 その1

 昭和28年、京都下鴨で二階に六つの和室のある学生下宿に入居した。
 ある日の昼下がり、向かいの部屋で碁を打っていた二人がいて、後で年上の学生と替わった。替わってくれた学生は、年上の学生を、学生劇場という劇団で、アクターをやっていて、日本共産党の党員だと紹介した。
 本棚にはマルクスやエンゲルス、レーニン、ヘーゲルなどの本が埋まっていた。
 一局の碁が終わり、二人から史的唯物論や弁証法的唯物論の話をはじめて聞いた。
 年上の学生に「弁証法論理学は、世界のあらゆる具体的なものが認識できる方法論で、発展に関する法則の科学といえるので、是非関連の本を読むように」といわれた。
 私は、あらゆるものに適用する発展の法則の科学という言葉に惹かれた。
 それからは、機会あるごとに、マルクス弁証法の本を読みかじった。興味のあるところだけ深読みした。理解しがたいところは何度も読み、なお分からないところは、向かいの部屋の年上の学生に聞きにいった。弁証法に一番関心がもてた。弁証法はいろいろな哲学者が論を展開していて分かりづらかったが、疑問のところは、図書館や関心のあるページだけを本屋で立ち読みした。
 向かいの部屋に年上の学生の友人がよくきていて、彼らの話を聞いて磨かれた。
 それからは学生運動も活発化して、2・3度デモに参加したがそれ以降はデモにはでなかった。
 
 2年が経ち、3年が経ち4回生のとき、前述の梯明秀先生の後期だけの特別講座が開かれ、参加した。
 梯先生の話では、弁証法に関する疑問が解け、目から鱗が落ちる思いだった。
 それは、「弁証法の五段階」というものだった。
 1,同一性(同種類の事柄)(同一性のものでないと発展のしようがない)
 2,差異性(それでいて異なったもの)
 3,矛盾(それらが互いに問題を抱えている)
 4,対立(やがてそれらは、紛争の関係になる)
 5,発展(そして、矛盾も、対立も越えて、新しい価値を創造することになる)
 正確だったかどうか疑わしいところがあるが、先生はそういわれたと記憶している。

 でも、どの哲学事典、弁証法の書物を見ても、「弁証法の五段階説」なるものはなかった。書物ではたいてい三段階説で述べられていた。でも、私には、五段階なるものがよく理解できた。

 私は、哲学の研究者として行くわけではなく、弁証法を一つのツールとして、実社会のなかで、仕事のなかで役だたせればこの上もないこと、きっと使えそうと確信のようなものを感じていた。
 梯先生が、その人には論理的相性というものがあるというようなことをいっていたので、そうだ、自分のパーソナリティが呼んでいると思った。

by kuritaro5431 | 2009-04-23 19:18


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